待遇が良いと評判の大学職員ですが、その実態はどのようなものなのでしょうか。
新卒で就職して10年人事部門で勤務した私、大学職員メンターが改めて大学職員の待遇について徹底解説していきます!
倍率が高く、決して就職しやすい職業ではないですが、良い待遇をモチベーションにて、大学職員を目指す皆さんの糧になると嬉しいです…!
残業代含めると、40代で1000万円に乗ります。
・20代の年収は他職種より少ないが、30代以降は圧勝
・年間休日は140日以上
30代で600万、40代で800万、50代で1000万
大学職員の待遇は圧倒的に良いです。
タイトルにあるとおり、目安としては、30代で600万、40代で800万、50代で1000万といったところでしょう。ちなみに私は30半ばですが、大体700万円ぐらいです。
この金額は残業代を全く含めない金額なので、これよりもさらにもらえることは間違いありません。
本当にこんなにもらえるの?
もちろん、全ての大学の給与制度を知っているわけではありませんが、少なくとも30〜40の大学においてはこれぐらいであると調べがついています。
明確なソースがあります。
私が参考にしているのは、日本私立大学連盟が加盟校に毎年報告を依頼している「教職員待遇状況調査」です。
これは教員と職員両方の待遇について、年齢と家族構成を想定した上で、モデル年収を調べるものです。私は人事課なので、この調査に回答する仕事をしており、加盟大学には各大学のモデル年収が冊子で送られてくるというわけです。
残念ながらソース自体を共有することはできませんが、そこから抽出した数字が、30代で600万、40代で800万、50代で1000万というものなのです。
ちなみにこの「教職員待遇状況調査」がかつてSNSで公開されてしまったことがあるらしく、私立大学連盟もかなり厳重に取り扱っています。
そのため、元データを公開することができないのです。こればかりは、私を信じてくださいということになってしまいますが、この金額を参考にしていただければと思います!
私立大学の職員として、新卒から定年退職まで過ごせば、生涯年収は実に3億5千万円にも上ります。出世すればさらにいくでしょうが、大卒男性の生涯年収中央値でも2億7千万円ということを考えれば、かなりの高給であることがわかりますね。
なお、国立大学や公立大学については、高給ではないので注意が必要です。
最後に私が就職活動をしていた2010年代前半は「昼寝してても一千万」などと言われていましたし、実際にそんな職員もいました。
その後、制度改定や時代の変化でそこまでの人はいなくなりましたが、それでも大学職員の待遇は非常に良いということがいえます。
繁忙期以外は休みやすい職種
次はお休みについてお話ししていこうと思います。
大学には、長期休暇として夏休みと春休みがありますが、学生はいなくとも大学自体は動いています。そのため、長期休暇=仕事も休みとお考えの人は注意が必要ですよ!
実際には授業がない期間に、まとめて仕事を片付けています。
とはいえ、夏休みにはいわゆるお盆があるので、一斉休業の期間も民間企業と比べると遥かに長いです。これらも含めて、大学職員としてのお休みをまとめてみました。
これも私の知っている首都圏の大学を調べたところになります。
・夏季休暇(8月半ばに10日ほど)
・リフレッシュ休暇(年に5日前後)
・年末年始(12月末から10日ほど)
・創立記念日
オーソドックスなところで、こんな感じですね。
夏季休暇とリフレッシュ休暇については、大学によってばらつきがあります。例えば、夏休み期間(8月〜9月)の間で20日間を自由にとる、みたいなスタイルもあります。
夏休みが民間企業より長いのに加えて、年末年始も結構お休みがありますね。普通は三ヶ日ぐらいのところですが、大学の場合は1月の二週目ぐらいから始まることが多いです。
ちなみに冬休みが長いせいで、共通テストが慌ただしいのは大学職員あるあるです。
また、創立記念日も休みなのですが、記念日ということで式典や業務があることもあります。その場合は振替はあるでしょうね。
さらに有給も普通の企業と同じぐらいありますし、それなりに取得すれば年間休日は140日以上は確定ですね。
繁忙期と閑散期
とてもお休みの取りやすい職場であることは前項でお伝えしたとおりですが、もちろんいつでも休めるわけではありません。
大学職員という仕事は部署によって、業務内容も繁忙期・閑散期も大きく異なりますので、そちらについても触れておこうと思います。
部署によって忙しい時期が異なるんですね。
はい、わかりやすいのは入試部門ですね。
推薦系の入試が始まるのは秋口ぐらいから、一番忙しい一般入試と共通テストの時期が1月2月なので、年度の後半が忙しいわけです。
無論、それ以外の時期もオープンキャンパスや高校訪問といった営業活動がありますが、入試実施本番と収容定員への着地が行われる年度の終わり際はとんでもなく忙しく、体力的・精神的にしんどい時期となります。
カリキュラムや定期テストを取り扱う教務部門では、学期前後が忙しくなります。あとは卒業と入学がある年度末といったところでしょうか。
このように部署によって繁忙期と閑散期は大きく異なります。そして、繁忙期は民間企業同様に忙しいので、ゆったりと休むことができるのは閑散期ですね。そこにお休みを入れて大型連休にして、旅行に行くというのが大学職員ならではの休みの使い方といえます。
大学職員はいつでも暇なわけではない。