昨今はメインの仕事だけではなく、副業が話題になっていますよね。
大学職員を目指している皆さんにとっても、副業ができるのかどうかというのは気になる点ではありませんか?
そこで今回は、大学職員の副業事情について解説していきたいと思います。
兼業、人材交流、出向などについても併せてお話しします。
・副業はこっそりやるのが安全
・出向などの制度は民間企業と同様
なお、令和6年度から立命館大学が「学内副業」の制度を始めたというニュースがありました。
そちらについてまとめた記事も併せてご紹介いたします。ご興味のある方は、以下のリンクからご確認ください!
大学よるが、副業はあまり推奨されていない…
私の知見と感覚にもよるのですが、副業自体はあまり推奨されている空気はありません。
ご紹介した立命館なんかは非常に先進的であるということですし、大学にもよるので一概にはいえないので、その点はご留意ください。
確かめるにはどうしたらいいのかな。
直接人事の方に聞くしかないですね。
ただし、最初から副業ありきで就職活動する人材に、あまり良い顔はされないので気をつけてくださいね。よほどのベンチャーでもない限り、まずは本業を頑張って欲しいというのが採用する側の思いです。
とはいえ、世間の流れとしては副業や兼業を推進している流れにありますよね。
厚生労働省も「副業」や「兼業」に関するガイドラインを出すなど、国の方針として進められていることがわかります。
それでも大学業界で副業が進まない理由は何でしょうか。
なぜ大学業界で副業が推奨されていないのか
これはひとえに、業界の古い体質が関係しているかもしれません。
人事労務的な観点からお話しをすると、そもそも副業が推奨されていなかった背景には、本職を辞めてしまうのではないかという懸念が世間的にあったからなんですね。
しかしコロナ禍でのテレワークや働き方改革によって、副業を推進することは労働者個人のキャリアアップに繋がることがわかり、さらに副業を許可する方が人材が定着することがわかっています(東京都の調査)。
じゃあなんで大学業界では認めていないの?
副業を許可するということは、管理上の問題があるからですね。
例えば、別の会社などで雇用契約で働く場合には、労働時間の通算が必要になってきます。さらに、公的な性格が強い大学職員という仕事で、副業を認めることは専従義務の観点から疑問視されているのです。
教員が別の大学で非常勤講師をするのはOKなのに不思議ですよね。
こっそりやるしかない
今のところは、寂しいですがこっそりやるしかないですね。それが無難だと思います。
変に公表して睨まれてしまうのも勿体無いですし、立命館大学みたいな先進的な大学はまだまだ少ないと思っていただいた方が良いです。
なお、立命館大学で制度化されているのは「兼業」である点に注意が必要です。
これは、大学職員と並行して別の肩書きの仕事をすることですね。副業と似ていますが、並行して行なっているので、サブではなくパラレルという認識です。
教員が他の大学で非常勤講師をやっているケースなどはわかりやすいですね。
副業をするなら、雇用形態に気をつけましょう。
雇用契約ですと、労働時間の通算や労務管理上難しいというお話をしました。
わかりやすい例を挙げると、居酒屋などでアルバイトをするのではなく、ウーバーイーツなどの個人事業主で副業をすることがオススメです。
だからこそ、私含めて大学職員の方は、こういったブログ運営やyoutubeでの動画作成などで副業をしているケースが多いですね。
そして、人事部門で10年間仕事をしてきた経験から、これでバレることはほとんどありません。
コアな話ですが、副業がバレるポイントは住民税の通知なのですが、数百人規模でいる従業員の住民税を一々チェックしていませんし、これでバレるならむしろ対策はないということになってしまいます…。
兼業・出向・人材交流など
おまけとして、大学職員にも民間企業並みの出向などの人事制度はありますので、ご紹介したいと思います。まず用語の説明から入っていきたいと思います。
兼業:本務以外の他の業務にも従事すること
出向:労働の場所を他組織に移すこと
人材交流:育成、啓発のため、他組織で業務を行うこと
出向には、在籍を元の組織に残すか、出向先に在籍も移してしまうかの2種類があります。出向先としては、大学基準協会、私学事業団、私立大学連盟(私立大学協会)といったものが有名どころとして挙げられますね。
そして人材交流とは、労働というよりは、育成や啓発のために行われる出向のような仕組みのことですね。
立命館大学の場合には、同じグループであるAPU(立命館アジア太平洋大学)が行き先であるように、公的な機関というよりは、グループ内や協定校の中で行われるというイメージです。
こうした人事制度が充実している大学に勤めることができると、その他の組織よりも成長する機会に恵まれると捉えても良いかもしれません。